阿部班 染色体異数化についての日本語総説が放射線生物学研究会の機関誌「放射線生物研究」に掲載されました。

染色体異数性は染色体数が正常な状態 (ヒトの場合46本) から変化した状態を示し、癌細胞の大きな特徴にもなっています。しかしながら、染色体が異数化する原因は数多くあり、その理解は簡単ではありません。本総説では染色体異数化の基礎的な説明から、染色体異数化を検出する実験系、染色体異数化の原因、さらには染色体異数化をターゲットとした癌治療、などを紹介しており、これから染色体異数化を勉強したい人にとって良い教材になると考えています。

また染色体異数化は健常なヒトの体内でも起きており、例えば男性のY染色体は加齢と共に徐々に失われていくことが知られています。また種として性染色体が失われる現象は染色体異数化の延長と捉えることができます。これらのことから染色体異数化と性染色体サイクル研究には非常に深い関係があり、染色体異数化に関する理解が性染色体サイクル研究の発展につながると考えています。

放射線生物研究は放射線生物学研究会の会員でないと読むことができませんが、本総説は直接配布することができますので、興味のある方は阿部 (0330abe (アットマーク)tmu.ac.jp) まで連絡をいただければお送りします。