桂・井川班 井川班員らの研究成果がDevelopment Growth & Differentiation誌に掲載されました。
ツメガエルは生殖器官を含む器官発生研究に重要なモデル動物です。しかし、その胚は卵黄を多量に含み不透明なため、蛍光タンパク質等を用いた3次元イメージング解析は、胚の表面構造や培養組織片、胚発生が終了した後の幼生(オタマジャクシ)に限られてきました。本研究ではこの問題を解決するため、まず熱耐性を持つヒト胎盤型アルカリホスファターゼ(PLAP)を組織特異的なプロモーターを用いて目的組織で発現させ、熱処理により内在のアルカリホスファターゼを失活させた後、アルカリホスファターゼの基質を反応させて目的組織を染色する方法を確立しました。次にこの方法で処理した胚の連続切片を自動撮影し、コンピューター上で標的組織の立体像を3次元構築することに成功しました(Correlative Light Microscopy and Block-face Imaging (CoMBI) method)。以上の「PLAP-CoMBI法」は、ツメガエル胚において、従来の蛍光タンパク質を用いる方法では成し得なかった3Dデジタルイメージングを可能にするもので、この技術を応用することで不明確であった性決定遺伝子の発現部位も立体的に視覚化が可能になります。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/dgd.12919