風間班 風間班員らの研究チームによる成果がFrontiers in Plant Scienceに掲載されました。
本論文では、重イオンビーム照射によって引き起こされた変異が、遺伝子のスプライシングに異常をもたらすという興味深い現象を報告しました。葉緑体の発達に関与するEGY1遺伝子の第3イントロンの一部に変異が生じた結果、第3イントロンがスプライシングされなくなったり、スプライシングされる領域が通常よりも長くなったり、逆に短くなったりすることが明らかになりました。植物において、このような変異によるスプライシングパターンの変化が報告されたのは初めてです。そのため、なぜこのようなスプライシングパターンの変化が生じるのかについては、今後の研究が期待されます。
本領域においても、重イオンビームは染色体部分欠失を誘発する技術として利用されています。重イオンビームによる変異の影響についての調査が進むことで、染色体部分欠失技術のさらなる高度化が期待されます。
本研究成果は、科学雑誌「Frontiers in Plant Science」のオンライン版(9月15日付)に掲載されました。 https://doi.org/10.3389/fpls.2024.1388040